うちの裏に餌場を設けたのは野良猫のデビくんを待つためのものだった
チロさんが来るようになる一年前の事だった。
獰猛で攻撃的でしたが餌をあげはじめて嘘のように懐いたのです
それが突然来なくなり、いつかまた戻るだろうとデビくんのために設けた
餌場は野良猫達のちょっとしたオアシスだったのかも知れません。
チロさんもその一人でしたが他の野良猫と違いデビくんと共通しているのは
人懐っこいと言う事です。
しかし僕から見ればあくまで野生の生き物であり、野良やペットの区分けなど
はありません。それはネズミやタヌキ、鳥や昆虫と同じ見方です。
野良鳥とは言いません、野良タヌキとも言いません。
大自然に僕らと同じ様に空気を吸って生きている生き物です。
ただ人の都合で位置づけされたのが差別の始まりですね。
ブリーダーが作り出す人工的な人の為の玩具ではなく
正しい生き方をしている野生の生き物なのです。
デビくんのための餌場にチロさんが始めて来たのは
2018年11月11日でした。
2019年2月28日初めてカメラで捉えたチロさんが次の写真
警戒はするものの他の猫さんの様に慌てて逃げる事はなく、観察しているようでした。
これから間もなく呼べば近づくようになりました。
餌場ではなく来れば目の前でキッャトフードを与えるようになりました。
世の中が昔の様に大らかであれば野生の猫と人の触れ合いのままで終わるのが
理想的ですが、今の時代は野良猫への偏見が強すぎ、僕の考え方とまわりの
考え方ではいつかトラブルになるのは目に見えているので、一緒に住む方が
チロさんの為にはいいのかなと考え始めた矢先に
お腹が膨れ始めているのに気づいた次第です。
家族とも話し合い、子供が生まれるのを待ってチロさんの選択とうちの選択が
一致すればみんな一緒に住むのが一番だろうと考えていました。
チロさんが家に入るのは簡単です、しかし野生の子猫はそうは行かないので
自然の流れとそれぞれの運命に委ねるしかありません。
強制収容などはとても出来ません。
家に訪れるチロさん
しかし子供は‥
遠くから眺めるだけです、当たり前の事ですよね
一緒に入り込めば一歩運命の路線は傾くのですが、それを待つのにも
また時間をかけるしかないなと思った矢先、突然子猫は姿を消しました。
毎日この側溝の隙間から現れていたのですが、14日を最後にぷつりと途絶えてしまいました。
チロさんの胸は張ったまま3日経ちましたが子猫はどこにも見当たりません
まだ一カ月半の子猫、カメラを設置する前日が最後に子猫を見た日なので
その後何が起きて居なくなったのかも定かではありません。
近所の人が覗いていて棒切れを持っていたように見えたと言う娘の話もありました。
何が起きたのかはわかりませんが側溝から子猫は居なくなりチロさんは
乳が張ったまま家に来ています。
子猫が居ない以上チロさんの行き場はないので昨日の朝から今朝
ずっとチロさんは家の中に居ます。
もし子猫が現れたら家から出さなくてはいけません。
チロさんは外に居てもこの側溝の見える位置から離れる事はなく
離れるのはうちに入った時だけです。
チロさんは疲れているようでした
昨日の朝から今朝まで初めてずっと家の中に居ます。
子猫が現れなければこのままずっと一緒に暮らす予定です。
家に留まる気持ちがチロさんの胸の中に50パーセント以上あれば
成立します。外に出たい気持ちがそれ以上あれば成立しません。
これを読んだ方は拾った猫、捨て猫と言う言葉は使わない様にしてくださいね。
自然に戻る意思が強いのか、人と一緒に暮らしたい気持ちがあるのか
そう言う気持ちでチロさんの意思の選択を尊重してあげてください。
僕(家族)の選択は決まっています。
あとはチロさん次第です。