猫さんロードと裏猫日記

猫を通じて生き方を学んだり

灰色の人生って素晴らしい

物心ついた頃から人と接するのが苦手だった、学校も何もかも嫌だった

劣等感が大きすぎて人前に出る事がただ屈辱だった

仮面を被った大人達を見てそうなりたくないと思った

社会に出てサラリーマンの姿がロボットに見えた

きっと僕は大人になるまで生きていられないだろうと感じていた。

そんな僕を見て母は嘆いていた。

「お前は厭世的でいつ自殺するのか気が気では無い」と頭を抱えていた。

厭世と言う言葉はその時初めて知った。

父は父で「お前に人の裏を見ろとは教えたが裏の裏を見ろとは教えていない」

と神妙な顔で言った。

僕が真っすぐで人を疑う事を知らなかったからだろう。

人の言葉をストレートに信じ騙され、いいように扱われる姿を見て

もっと人の裏を見ろと教えたのだと思う。

そんな僕は一人で悩み苦しみ一人で答えを出すようになって行った。

母の言葉も父の言葉も愛情から来る言葉だったのは後に理解出来た。

社会に出た時には既に人の世が嫌いになっていた。

仮面の下の顔を見る癖が付いてしまったのだ。

口から出る喉元で変換された言葉は僕の耳には届かなくなっていた。

喉元で変換かされる前の言葉を詮索する癖がついてしまったのだ。

会社行事などに顔を出したのは社会に出て5年位だったと思う。

それ以後、今日まで参加した事は無い。

その場に何も見えないのだ、何も得るものが無いのだ

ロボットとしての位置づけしかそこに無いのだ。

針のムシロの場としか言いようがない。

 

人と接する事を避けてからは世の常識も僕にとって大した価値はなくなった

都合よく生きる、上手に生きる姿はとても耐えられない

ロボット達と接する事を極力避けるのが僕の生き方となった

テレビや新聞、活字を見ないのも自分を保つ手段の一つとなった

年が明ければ71歳になるけれど未だロボットになれなかった自分が此処にいる。

もし交わって生きていたら母が心配していた自分になって居た事だろう。

中途半端にそんな現世で僕のような性格を持って入り込んだら

そこに生きる道は見つからなかったと思います。

灰色は灰色のままの人生を貫くといい

灰色がそんなに悪い物ではないと思うはず

灰色が現世と交わる事で生きる望みを失ってしまうからだ。

灰色のまま生き抜けばどんな事でも耐えて行けるだろう

 

上手に世の中渡れない者がそれを渡ろうとすると足を踏みはずすだけだ。

足を踏み外すくらいなら初めから渡らねば灰色の素晴らしさが解かる。

個が生きるのは個の生き方を大切ににし世の流れに合わせていたら

誰の人生かわからなくなる。

競争社会もまた憐れな世界

誰かを追い抜けば誰かが落ちる

始めから最後尾に居て追い抜かねばいいだけ。

最後尾の素晴らしさは灰色の素晴らしさと同じだから

自分との競争だけを楽しめるそこに勝ち負けは無い。

 

神田沙也加さん亡くなりましたね

個の生き方の変形でもあります。

手の届かないところで肩の荷を下ろしてくださいね。

生きて灰色の人生を全う出来れば良かったけどね

現世と交わると‥‥。

きっと誰かがそこへ追いやった事で苦しんでいると思います。

あなたはもう苦しむことはありません。

追いやった方があなたの苦しみを背負うだけです。

人はみんな弱い、一言で終わるのです。

 

 

生きたかったら現世から遠ざかればいい。

いのちの電話の向こうに

あなたより悩み苦しんだ人が居ればいいのだが

そうでないと人の命は救えない。