猫さんロードと裏猫日記

猫を通じて生き方を学んだり

釣り名人 渓流釣り

釣り名人と聞くと父を思い出す

清流、渓流釣りの名人と言えば父以外に思い浮かばないのである

清流ではハヤ系の魚

渓流ではヤマメ

この手の魚釣りに於いて父の右に出るものはおそらく見ることはないだろう

田舎では毎年川釣りの大会があり、いつも優勝は父と決まっていた

田舎ではすぐ歩いて行けるところに清流、渓流があり

ハヤやウグイヤマメが混在する川でしたが広島に来てからは

渓流と言えばかなり奥まで行かないとなかったので

店の客や近所の釣り仲間と渓流に行っていたようですが

あまりによく釣るので敬遠もされていたようです

ある時釣具屋でヤマメ100匹は釣って戻ると語った事から

釣具屋もそんなに釣れるなんて人は聞いたことが無いハヤかなんかと

勘違いしてるんじゃないかと言われ、実際に釣った魚を見せたところ

釣具屋がビックリしていたそうです。

当時そう言う関係からテレビで釣りの解説をしていた釣り名人と

同行する機会がありました、その釣り名人

父に言わせると名人とは言えないそうです

実際に釣った数は歴然と父とは比べ物にならず

それがどう作用したのかその釣り名人が漁協などと話し合い

渓流の解禁日を三月から四月へと変えてしまいました。

父は言っていました。ヤマメはまだまだ沢山いる

解禁日変えてまで守るほど減ってはいないと言うのでした。

父が知る川に連れて行ってもその釣りあげる数の差から

父が自分ばかり良い場所を陣取る的な思いを抱かせたみたいです

父はそれを快く思わず他の人に先に良さそうな釣り場を選ばせ

父は最後にみんなの後を釣って歩くスタイルにしたのですが

それはそれで快く思われなかったようです。

父の釣りに対しての心は

何としても魚を釣るではなく

魚がいれば勝手に釣れると言う感覚なので

別に誰がどこを釣り歩こうと楽しんで釣れば良いと言うスタンスですね

 

僕が渓流釣りを始めたの20代半ばだったと思います

初めての釣りでは7匹でした、その時の父は2時間程度で60匹は釣りあげていました

ヤマメ三桁は父にとっては大変な事ではなく

普通にちゃんと釣れば釣れるものそんな感じでしたね。

僕の最高は37匹だったと思います、父の最低にも及ばないものです。

父の釣り方の少しは僕もわかりました。

渓流釣りは静かに影を落とさないようそろりそろりと言う方も

多いと思いますが、それでは数は上がらないと思います。

どちらかと言うと人が釣らない場所にたくさん居るって事を知ること

まさかこんなところで?

決まりきったポイント言われているようなポイントほど魚はスレています

また警戒心も強いだけです。

沢山の人が攻める場所、そこは魚も肌で感じているので

ついみんなそこで足を止めて粘るわけですが

粘る時間があればまさかのポイント探しをした方がきっと数が上がります。

 

父から教わった事で実感出来たのは

底を釣る、アタリは糸ふけ、最後は必ず空合わせ

たったそれだけですがとても実感出来るものです。

 

底を釣る、当然根がかりは多くなります

アタリが手に来てからでは遅すぎる

空合わせは流れ切った後浮き上がるときに食らいつく

これだけでまぐれでも数匹は上がるはずです。

 

最初教えて貰ったときは後ろに父が立ち

僕の肩をポンと叩いたら合わせる

ただそれだけでした。

父が後ろに立てば初めての人でも数匹は釣れます

なぜ釣れたのかは最初全くわかりませんでした

何年か渓流に通う内に納得できるようになりました。

魚はちゃんと居て餌を口にしているんですね

それがわからない内は「釣れない」となるだけです

魚は釣れているのに釣らないと言うことです

全部見逃さなかったら数十匹は釣れているのでしょう

僕自身は37匹が最高ですが実際はもっともっと魚は餌を咥えていたはずです

父の記録には180匹と言うのも記されていましたが

その父でも取り逃がしはあると思います。

 

余談ですが

父はイワナ釣りは一度だけ行った事があります

それは父の知人がイワナ釣りの名人が居るからおじさんならすぐ

名人になれるからと紹介されたものですが

結果はイワナ釣りの名人が父に釣り方を教わることになったそうです。

その時の父曰く

ヤマメより簡単に釣れると言うことでした。

釣り名人は生きている時に死んだら三途の川でも釣って見ようと言っていました。